
アンケートによると、オアシスに集う人は、高齢期真っただ中の70代、80代がもっとも多く、共通の悩みは身体のあちこちが老化によって不調になることや、大切な人との別れによる孤独感をあげておられました。
例えば90歳の坂を登っている人では、70歳代は夫を見送り、子ども達は自立し、自分は自由、ときに孤独感を感じるそうですが、健康であればやりたい事がやれて一番幸せな時期かもしれません。
ところで、「人には個人個人に授かった賜物がある」といわれます。だれしもいままで努力して身につけられた特技や趣味など、何らかの賜物をお持ちのことと思います。今回、オアシスに集う3人から、どのような暮らしをしているか、そして、一体自分の賜物は何だろう?と、その光の部分を考えて見つける事を課題にして、「私の日常と私の賜物」を発表していただきました。
Tさん・・・13年前、夫と死別。独居生活の始まり。気をつけていたのに転倒して入院。今も杖が無いと不安で外出は余り出来なくなった。教会だけは行きたいと、教会に近い所に家を探し引っ越した。両親ともクリスチャンで、自分もミッションスクールに通った。日曜日には、ラインを使って礼拝に参加している。
嬉しいことは、「おはようメール」が3人の息子から入り、友人3人からも入る。それで一日が始まる。守られている暖かさで元気が出る。賜物なのか?、のんき者です。
Mさん・・・私の大好きな歌を朗読します。吉田拓郎「今日まで、そして明日から」。
私は80歳、45歳の時、大切な人が癌でいなくなりました。ずっと沈んでいたとき、「一歩足を前に出せ」と言われた言葉で変わりました。上手でも下手でもいい、何か始めようと思い、ボーリングと手芸にチャレンジ。ボーリングは優勝することもあり、手芸では、おもに自分の着る物を作ります。これが賜物でしょうか。
Nさん・・・私は88歳です。私の大好きな讃美歌を歌います。「やすかれ、わがこころよ」讃美歌532番。歌うことで心の健康を取り戻します。私は小学校の時音楽にめばえました。今は、発表会を間近にひかえ、バッハを歌います。ドイツ語です。なかなか覚えられないのですが、一生懸命に取り組んでいます。得意なものをしようとする・・・これが元気の基であり、私の賜物だと思います。
3人の話を受けて、グループで「私の賜物」について話し合いました。「私には何もない」という人が多くありましたが、今日の3人の発表者のお顔を思い出して、なにか感じることがあったかもしれません。
M・T
