毎年夏になると思い出すことがあります。それは4~5才の頃プールで溺れた時のことです。
50数年も前の出来事になりますが、今でも夏になるとその時のこわかった思いがふっと出てくるのです。
当時私は岡山県の津山市に住んでいました。ある日、私は母に連れられて市営のプールに行きました。プールは端から2~3m位は浅くなっていて、私はそこで遊んでいたのです。右手に赤い金魚のおもちゃを持っていました。金魚の口から水を吸い込み、背中を押すと水がビュッと出るやつです。
浅いところだけで遊んでおれば良かったのですが、斜めに歩いたのでしょう、突然足を踏み外しました。
深みにはまって私は右手に持った金魚を水面に突き出してもがきました。水をガブガフ飲んで・・・。そのときの恐怖を今でもはっきり覚えているのです。
突然、バタバタしていた私の右手が誰かにぐっと引っ張り上げられました。少し離れていたところにいた母が、溺れていた私を見つけ慌ててプールサイドに上がって、走ったそうです。見つかるのがもう少し遅ければ私はプールの底に沈んで命はなかったでしょう。今でも私の手を掴んで水面からズボッと引き上げられた時の感触は忘れられません。
そのことを思い出すとき私は思うのです。あのとき自分は死んでいたかもしれないと。今自分の力で生きているのではなく誰かに生かされているのだと。
連日暑い日が続きますが、そのことを思い神様に感謝する今日この頃です。
M.F