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香櫨園教会の始まり

 香櫨園教会は去る4月28日58年目の創立記念日を迎えました。ここで、簡単に香櫨園教会誕生の歴史を振り返ってみたいと思います。

 

 香櫨園教会の親教会は日本キリスト教団芦屋浜教会です。60年ほど前から芦屋浜教会では西宮地区の教会員の自宅で家庭集会が行われていました。日曜日の朝になると西宮地区にお住まいの方たちは芦屋まで礼拝に出かけられます。しかし少し教会まで距離があるので「西宮でも礼拝が守れたら良いのに」という要望があったのです。そして1961年の芦屋浜教会創立9周年の時に長谷川初音牧師から10周年の伝道の記念として「西宮地区で行っている家庭集会の充実のために会堂を捧げる」、「西宮に礼拝堂を」という志が示されました。

 

そこで、当時津山教会で牧会に携わっていた古河治牧師を招聘し、香櫨園の開拓伝道の任にあたるよう依頼したのです。並行して土地や建築費用のための募金活動が行われました。当時の記録を見ると長谷川初音牧師をはじめ教会員の方々の熱い思いやエネルギーが、大きなうねりになっていたことを感じさせられます。

 

しばらくして、地域の有力者との交渉を経て西宮市川添町に土地が与えられました。1962年2月起工式、同年9月に初代の教会堂が出来上がりました。そして9月30日に献堂式が行われました。初代の教会堂は十坪、牧師館兼集会所が十坪の山小屋風の可愛らしい教会でした。そのとき教会は日本キリスト教団芦屋浜教会西宮礼拝所として設立されました。翌年1963年4月28日の礼拝から日本キリスト教団香櫨園伝道所としてスタートしたのです。後に香櫨園教会ではこの4月28日を創立記念日として定めました。

そして1965年には信徒が20名以上となり、既に会堂もあり専任牧師もいることから、日本キリスト教団の第二種教会として認められ、宗教法人日本キリスト教団香櫨園教会の設立が認可されました。

 

 ところで使徒言行録によれば、イエスキリストの復活の後、50日の間エルサレムに留まっていた弟子たちの上に神の聖霊、キリストの聖霊が下ったと記されています。そしてその聖霊が弟子たちを奮い立たせ、彼らを導いて初代の教会の設立に向かわせたのであると語られています。それはすごいエネルギーだったと思います。それと同じエネルギーが天上から親教会である芦屋浜教会にも降ったのでしょう。そして長谷川初音牧師を始め教会員一同、一生懸命力を合わせて西宮・香櫨園の地の伝道のため新しい教会を生み出していったのです。これが香櫨園教会誕生のいきさつです。ただただ感謝するしかありません。

 

 その後香櫨園教会は1995年の阪神淡路大震災で被災しました。この災害も大変大きな試練でした。しかし神様は聖霊を送ってくださり、人間の常識では考えられない復興を遂げることができました。教会員はもとより全国さらに海外からも献金が集まり、新しい教会堂が復興したのです。

 

 さて2021年の現在、私たちはコロナ禍の中で新しい生活様式を模索しています。私は香櫨園教会の創立記念日にあたり、教会の誕生の原点に戻り、諸先輩方の熱い祈り並びに信仰の引き継ぎについて改めて考えさせられた記念日でありました。

 

(写真は1962年2月11日 起工式 聖書を地中に埋めその上に標柱を立てて祈る古河治牧師)

M.F

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