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説教要約22/12/25「信じれば変わる世界」

ミカ5:1~3

ルカ2:1~20 

「信じれば変わる世界」

 

 2000年前のクリスマスの夜、羊飼いだけが、神の栄光として現わされた輝きの光景を見ることができました。そして天使から、「地には平和、御心に適う人にあれ」とのお告げを聞くことになります。

 

この「地には平和」こそが神の御心です。神は地上のすべての人に平和が実現することを望んでおられます。平和とは単に戦争のない状態だけではありません。目に見えない心の状態を含むすべてのことが、神の望まれる状態にあることを聖書は平和と呼ぶのです。すべての人に平和を実現するために、神はご自分の独り子イエス・キリストをこの地に誕生させました。

 

 そのキリストは「飼い葉桶」の中にお生まれになりました。飼い葉桶とは、貧しく、粗末な器です。最初にキリストと出会った羊飼いたちも、罪深い自分の心の貧しさ、愛の無さを知る「飼い葉桶」のような心を持つ人たちでした。そのような彼らこそが神の御心に適う人だったのです。

ですから、平和が実現する人になるためには、何か努力による善行を積んで、すばらしい心の器をわざわざ用意する必要などないのです。自分という貧しく、粗末な飼い葉桶の中に、愛そのものであるキリストをお迎えするだけで良いのです。

 

 神の赦しを願い、愛の満たしを求める祈りがあるところにキリストが生まれます。そのような渇いた心に神の愛が宿ります。そして、その救いの恵みを喜び感謝する時に、誰でも神と隣人を愛する平和の道を歩み始めることができます。貧しく、粗末だけれども、温かい愛の器に変えられて、自分自身の内だけではなく、この地の他の人々にも平和を実現する人へと徐々にならせていただくのです。

 

 その第一歩は、最も身近な場所の身近な人を愛することから始めることです。もちろん、身近な人を愛することは簡単なことではありません。むしろ、身近な人だから難しいということもあるでしょう。けれども、その壁を乗り越えて、まず身近な人に対して愛を心がけましょう。そうすれば小さな愛の光がその人の心に灯ります。私たち一人ひとりの小さな愛の光が集まれば、あのクリスマスの夜のようにこの世界は変わります。どうぞこの暗い世界に、平和に満ちた光がまばゆく輝くことを信じてください。

宮本幸男

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