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「何をしてほしいか」(こころの友伝道2023.2.3号)

「何をしてほしいか」 

 2022年の4月から香櫨園教会に遣わされた私は、「私に何をしてほしいですか」と、最初の礼拝説教の中で信徒の皆さんに語りかけました。それは福音書の中のイエスが、さまざまな苦しみの中にいる人々に、「何をしてほしいか」とのアプローチをすることによって、彼らの願いと信仰を引き出し、数々の奇跡を起こされていたからです。私たちは自分の経験から良かれと思ったことを、「あの人にとても、きっとこれで良いのだろう」と、自分の方法でやって失敗することがあります。しかし、イエスはまず相手の立場に立って、その人に最善なことが起こるようにいつも配慮されておられました。ですから私もそれに倣って尋ねたのです。

 

 その後ある一人の信徒から、「一人暮らしをしていて、さみしい思いや、辛い思いをしている方の居場所を教会につくりたい。」との願いが引き出されました。そして、第5聖日の午後ごとに開かれている「こころの友伝道の会」の中で、「居場所のカタチ」などについて、それぞれの信徒が持つ具体的なイメージを、祈りつつ話し合いました。その結果8月には大枠ができ、役員会を通して教会の正式な活動として認められました。居場所の名称は、「オアシスのようにほっと一息出来る場所となるように」との願いを込めて、「地域サロン オアシス」と名付けられました。また、この居場所を10月から開始することと、毎月第4土曜日に開催することなども決められて行きました。

 

 そのプレオープンとして、9月に「琴とフルートのコンサート」を開催した時には、この地域から46名の方々の参加がありました。その後も多くの参加希望者が起こされましたが、新型コロナウイルス感染予防の配慮から、参加者を30人程度に抑えて開催している状況です。また、統一教会の問題が取りざたされる中で、なるべく宗教色を出さない配慮もしていましたが、12月には西宮市から活動の支援金が与えられ、クリスマス会として景品付きのビンゴゲームをすることや、クリスマスソングを皆で歌う願いが叶いました。

 

 神が始めてくださったこのオアシスは、今後も神のお導きによって発展していくことでしょう。さらには、他の信徒の中にも秘められている神のご計画が、次々と引き出されることを願います。その中でこの教会に招かれて来られる地域の方々に、「何をしてほしいのですか」と、私たち自身がお尋ねしていくことこそが、神の御心の中心であると信じています。

日本キリスト教団 香櫨園教会

牧師 宮本幸男

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