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説教要約23/6/4「神の愛に酔いましょう」

ヨエル3:1~5

使徒2:14~21

「神の愛に酔いましょう」

 

 ペンテコステの不思議な出来事が起こり、その直後に語られたペトロの説教がここに書かれています。その出来事とは、使徒たちが天から降ってきた聖霊に満たされ、「ほかの国々の言葉」で、神の偉大な恵みを語ったことでした。しかし、それを聞いた人たちの中には、「あの人たちは新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言って、あざける人もいたのです。

 

 そのようなあざけりに対して、ペトロは旧約聖書のヨエル書3章に書いてある預言を用いて反論します。そして、ヨエルによって預言されていた神のご計画が、ここに実現したことを語るのでした。

 このペトロが引用して語ったヨエル書の預言の中に、「終わりの時」という言葉があります。さらにその後に、「主の名を呼び求める者は皆、救われる。」とも書かれています。まさに「終わりの時」とは、イエス・キリストの御名を呼び求めることによって救われる時代です。私たちが神の一方的な愛によって救われていくのです。そして、そこに喜び溢れる新しい生き方が生まれていきます。

 

 人生の中でさまざまな誘惑に逢いながらも、そのような新しい生き方に憧れる時、使徒たちと同じように、私たちにも聖霊が注がれていきます。それこそ、「神の愛に酔っている」ような生き方か始まる時です。そのような生き方は、周りの人が見れば、自分の身を削り、損をしているように見える生き方かもしれません。なぜならば、神を愛し、互いに愛し合っていくという、自分を犠牲にしながらも徹底して愛を大切に生きようとする姿は、誰の目にも不思議に見えるからです。

 

 しかし、それは酒に酔っているのではなくて、聖霊によって与えられる新しい生き方を確実に歩んでいる時です。そこに本当の喜びが溢れていきます。イエスの御名を呼び求める時、私たちは神の愛に酔うような生き方をする者として招かれているのです。

宮本幸男

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