· 

説教要約2024/3/3「人の弱さの中に働く神」

説  教「人の弱さの中に働く神」

旧約 士師記7:1~7

新約 コリントⅡ 12:1~10

 

 この手紙を書いたパウロは自分で誇れるものをたくさん持っていた人でした。彼はユダヤ社会で尊敬されていた律法学者であり、その中でもずば抜けて優秀な人でした。しかし、彼がこの手紙の中で、「大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」と語っているのは、彼が自分の人生の中で、特別な経験をしてきたことと関係があります。

  

 パウロは自分の体に「一つのとげ」を持っていたことを告白しています。その「とげ」とは、彼が持っていた何かの病気から来る障がいであると考えられています。彼はこの病気のせいで大変苦しんだようで、それを「弱さ」、あるいは「サタンから送られた使い」とまでも言っています。

 パウロはこの病気がなければもっと神にために働けると思いました。だから、病気が治ることを何度も祈りましたが、その願いは聞き入れられませんでした。そのうち彼は、この病気に何かの意味があることを信じ、それを知るために真剣に祈り始めます。そして、彼はある時ついに、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」との言葉を神から与えられました。そして、その言葉を受け入れた時に、神はパウロの弱さの中で更に豊かには働いていくのです。

 

 私たちも祈り求めるならば、「人の弱さ」の上から「神の強さ」を注ぎ足してくれる言葉が与えられます。その一つひとつの言葉に力を与えられ、豊かな人生を生きることができるのです。その神の恵みは苦難とともにやって来ます。だから、たとえ行き詰まりの状態にあっても、弱い自分を積極的に神に明け渡し、神の声を聴くことができるよう祈り求めましょう。その時に与えられる神の言葉を通して、神は喜んであなたに働いてくださるのです。

牧師 : 宮本幸男

HOME