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説教要約2024/11/3「降れば輝く人生」

「降れば輝く人生」

イザヤ57:14~21、

使徒言行録12:18~25

 

 ペトロは牢の中で厳重な監視体制に置かれていたにもかかわらず、天使によって解放されていきました。しかし、その報告を聞いたヘロデは、それを神の御業と認めず、兵士たちの怠慢によって起こったように幕引きをしてしまいます。また、その後の重要な式典においても、ヘロデはティルスとシドンの住民たちから「神の声だ、人間の声ではない」と、最上級の称賛の言葉を贈られましたが、その言葉を謙遜になって否定することなく、神に栄光を帰すこともありませんでした。そのためにヘロデは激痛をともなう最悪の死に方をしていきました。

 

 ヘロデはペトロが解放された時に、それを神の御業だと認めて謙遜になるチャンスが与えられていました。また、ティルスとシドンの住民の称賛の言葉を否定し、神に栄光を帰すこともできました。しかし彼は神に帰すべき栄光を自分のものとしてしまったのです。同じように、私たちも自分が罪人の一人であるとの謙虚さを忘れ、何か特別な人間であると思い始めて、人生を狂わせてしまうことがあるのではないでしょうか。

 

 私たちは神から愛を注がれて、それを神にお返しするために造られた存在です。しかし、その役目を果たすことのできない者となってしまいました。だから、主イエス・キリストは父なる神に完全に栄光を帰す方として、降りて来てくださったのです。そして、栄光を帰すことのできない私たちのために、主は謙遜に生き、十字架にかかって命をささげてくださり、復活されて、私たちと共にいてくださいます。

 

 神に栄光を帰す生き方とは、「キリストの謙遜さ」という衣をまとって、キリストの僕として生きていく生き方です。その生き方のために、まず私たちはキリストのように高いところから降りなければなりません。そして神の御声に謙遜に聞き従う時に、神が先回りして備えてくださっている自分の居場所に落ち着くことができるでしょう。その場所こそ、神の栄光の光によって、自分の人生を輝かせていただくことができる場所なのです。

牧師 : 宮本幸男

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