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説教要約2025/2/23「神は死んだのか、シカゴ学派の敗北」

神は死んだのか、シカゴ学派の敗北

 ヤコブの手紙5章

「神は死んだ」とニーチェが記したように、20世紀には宗教が衰退し、いずれ宗教は無くなるのではないかと考えられていました。結果、人間の合理性を信じるシカゴ学派が隆盛を誇ることになりました。このシカゴ学派の人たち、エリートな方々には、「神は必要ない」のかもしれませんし、人間の行動はお金が決めていると思うかもしれません。

 

 10月から毎月1章ずつ読んできて、今日でヤコブの手紙も最後になります。この手紙が伝えてきたことは、「搾取と他者を犠牲にする金持ちへの批判」と「神と隣人への祈り・愛」です。ヤコブの手紙の内容は、イエスの教えの再確認の手紙とも言えるかもしれません。

 

 ブラック企業がなぜ世にはびこるのかというのは労働者に給料を払わず搾取をしているから。聖書の時代の金持ちも、現代と同じです。畑を耕した小作人に対して、給料を支払わなければ、丸儲けです。聖書の時代も現代も、変わりません。このようなテクニックを用いて稼いだお金の背後には、搾取と犠牲があります。神はその不正を許さない。他者を犠牲にしておいて、天の国でも同じように行けると思うなよ。神様はそうやって言い放ってくれます。

 

 また現代では、科学的な治療法が数多く存在します。私自身も現代医療に助けられた経験があります。しかし、祈りの力はあまりにも無視されすぎています。宗教的な人は健康で長生きするし、よく祈る人は病気になりにくい。科学的には原因は不明ですが、宗教を信じる人は、より健康で長生きする現実があります。

 

 宗教はもう過去のもので、お金が全てを支配するのだと主張したシカゴ学派に人類はNOを突き付けます。人間は感情の生き物で、お金に支配されはしない。シカゴ学派によって明らかになったのは、人間は神様なしに生きることができないということです。

神学生: 坂本子龍

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