
「神があなただけに使う方法」
サムエル記上16:1~13
使徒言行録16:6~10
主イエス・キリストを信じる人々は、様々な方法によって神に導かれていきます。その中に「状況による導き」というものがあります。エルサレム教会の人々が、各地に散って伝道していったきっかけも迫害という状況でした。彼らは苦しく辛い状況の中で離散していきました。しかし、神はその状況を利用して、彼らを宣教地に派遣し、彼らとその土地の人々に祝福をもたらせていきました。
第二次伝道旅行の初期の段階で、パウロにも計画していた伝道の順路を変更せざるを得ない状況が起こりました。実際にどんな事情があったのかは、使徒言行録には具体的に記されてはいません。しかし、パウロは自分に起こった状況が決して偶然ではなく、神に導かれる中で起こっていると確信しました。それが後の祝福へとつながっていきました。
私たちも神によって人生の計画の変更を余儀なくされ、苦しみ、悲しむことがあります。しかし、そこに新たな道や目的を見つけて喜ぶ経験をすることもあります。災いと思えるような中にも、神は私たちに良いものを準備して、祝福へと導いているのです。
その導きはバラエティに富み、一人ひとりの為の導きが用意されていることでしょう。
ところで、私たちは自分が努力してここまでやって来たと思っています。しかし過去を振り返れば、私たちが今ここにいるのも、自分の努力だけではないことが分かります。過去に起こった状況が、私たちが今ここにいることを可能としているのです。
この世の中には、頑張っても報われない人たちがいます。実は、私たちは努力しても報われない世界の中を生きているのです。私たちは状況の中で不思議と報われて来ました。私たちがここまで得て来た祝福や賜物を、私たちは助けを必要としている人に分け与えるように導かれているようにも感じます。神はその導きを通して、さらに私たちを祝福しようとされているようです。
牧師 : 宮本幸男