
「心を開かせる神の霊」
エゼキエル36:16~38
使徒言行録16:11~15
パウロは、フィリピの町でリディアという名前の婦人と出会います。リディアが高価な紫布を商っていたことから、彼女は相当なお金持ちで、知り合いには特権階級の人が多くいたことでしょう。家族同然の僕たちもたくさん抱え、毎日を自由に過ごすこともできたはずです。
しかし、彼女はユダヤ教の神を敬う異邦人で、この日も礼拝をする為に、わざわざ川岸の祈り場に集まっていました。そして、リディアがパウロのメッセージに注意深く耳を傾けた結果、神の霊、キリストの霊である聖霊が、彼女の心を開いていきました。
福音はすべての人を救う神の力です。どんなに恵まれて生きているように思える人であっても、福音を必要としない人はこの世界に一人もいません。リディアの心にも聖霊が働いて、彼女は救われていきました。単純で愚かに聞こえようとも、キリストの福音が真っすぐに語られるところに、人の心が開かれていきます。
聖書に「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです」とあるように、真っすぐに福音が語られるところに聖霊が働きます。何かの努力をして、福音に特別なものを加えて伝道する必要などありません。あなたがキリストから与えられていることだけを語れば良いのです。パウロも自分に授けられた福音を忠実に語ったことが、聖霊がリディアの心を開くことにつながりました。
そして、すでに心が開かれた私たちも、さらに心を開かれ続ける必要があります。その為に、私たちはキリストの福音の言葉をこれからも注意深く聞き続けるのです。注意深く聞くとは、自分の経験やプライドなど、自分が握りしめている全てのものを横に置いて、今、神が自分に何を語りかけておられるのかを謙虚に聞き続けることなのです。
牧師 : 宮本幸男