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説教要約2025/9/14「力ではなく愛を信じる」

「力ではなく愛を信じる」

イザヤ44:9~20

使徒言行録19:21~29

 

人が手で造ったものは神ではないことは確かです。しかし、私たちは、ご利益の力を願う心で偽の神を造ってしまうことがあります。それは、自分の心の中に、聖書に啓示されている以外の神を勝手に造って信じることです。その信仰は、神の御心に沿う信仰ではなく、自分勝手な希望で造り上げた信仰に過ぎません。

そのような信仰は必ず行き詰まってしまいます。その時、心を開いて聖書の言葉に耳を傾ける人は幸いです。なぜならば、その人は、信じるべきは神から与えられる力ではなく、神の愛であること、すなわち、神はどんな自分でも無条件で愛してくださるお方であることを信じることができるようになるからです。

パウロもご利益の力ではなく、神の愛を信じられたからこそ、ローマに到着することができました。それまでに、パウロにも自分なりの希望や計画というものがあったことでしょう。けれども、神がパウロの為に用意した計画は、パウロが希望してものと全く違っていました。そこには多くの苦難はありましたが、人間の願いを超越した愛に満ちたものでした。

福音宣教の中で、様々な苦難を経験したパウロでしたが、ローマに到着した後の2年間、何にも妨げられることなく、自由に神の国について語ることができました。そのように、パウロが希望溢れる新しい生活を始めたというところで、この先の使徒言行録の最終章は終わっていきます。

パウロと同じように、主イエス・キリストに従う者は、必ず苦難を通過させられます。しかし、主の十字架の先に復活があったように、全ての苦しみから解放され、自由になれる場面が、私たちの人生にも用意されています。復活の出来事に表わされた「神の愛」を経験する時が、この世の苦難の道を歩み続ける自分自身にも与えられることを信じましょう。

 牧師 : 宮本幸男

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