「心を注いで祈る母」
サムエル上1:3~18
マタによるイ福音書26:36~46
預言者サムエルの母となったハンナは、ある時まで子どもが与えられませんでした。子どもを産めない女性は、当時は「神に呪われた女」と見なされていました。その為、彼女は嫌がらせを受ける中で、苦しみ悲しんでいました。
しかし、与えられた苦しみによって、ハンナの信仰は確実に深められていきました。彼女は自分の心を注ぎだして祈る中で、少しずつ自分自身を神に明け渡し、魂にしずかな平安を得ようとしていたのです。
そのようなハンナは、シロにあった聖所に巡礼に出かけたときに祭司エリに出会いました。彼女はエリからの祝福の祈りを受けることによって、その表情はもはや前のように暗いものではなく、恵みにあふれたものとなりました。自分の願いがまだ実現していなくても、彼女は「祈りが聞かれた」という確信を得ることができたのです。
見える状況は何も変わっていませんでしたが、ハンナ自身の信仰が変えられていきました。自分自身の祈りの中で、彼女は思い煩いをすべて神に委ねることができるようになっていったのです。悩みからすっかり解放されるためには、まず自分が変わるしかありません。人を変えることは難しいことですが、自分が変わる時に、様々な問題が解決されていくから不思議です。
私たちも自分の努力だけではどうしようもない問題にぶつかることがあります。しかし、聖書は「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」(フィリピ4:6-7)と、私たちの心からの祈りに対する神の約束を示してくれています。
牧師 : 宮本幸男